最近、ちょっと思ってたんだけど…。テクノロジーって、僕らの生活を、特に都会での生活を「楽」にしてくれたって言うじゃない？ ニューヨークみたいな街でさえ、昔に比べたらずっと住みやすくなった、とか。…でも、それって本当なのかなって。楽にはなった。それは間違いない。でも、その代わりに何か失ってる気もするんだよね。そんなことを、つらつらと考えてたんだ。
先說結論
テクノロジーは確かに、ニューヨークみたいなカオスな街のストレスを「ごまかす」術をくれた。うん。でも、それが生活を「より良く」したかって聞かれると、正直、首を傾げちゃうかな。便利さと引き換えに、僕らはもっとせっかちになったり、現実から目をそらすのがうまくなったりしただけかもしれない。
具体的に何が変わったのか？ ニューヨークと東京を比べつつ…
まあ、いくつか例を挙げてみると分かりやすいかも。元々はニューヨークの話なんだけど、多分これ、東京に住んでる人にも「あー、分かる」ってなる部分があると思うから。
地下鉄：地獄から「ちょっとマシな地獄」へ？
まず、地下鉄の話からかな。ニューヨークの地下鉄って、まあ、なんていうか…人生の修行みたいなとこあるから。理由もなくトンネルの真ん中で20分止まったりとか、普通にあるし。そういう時って、本当に世界の不条理を感じるんだよね。
でも、今はアプリがある。MTA（ニューヨーク市交通局）の公式アプリ。これが、すごい。リアルタイムで「あと何分で電車が来るか」が分かる。…いや、正確に言うと「あと何分『遅れて』来るか」が分かる。これ、革命的だよ。だって、いつ終わるか分からない拷問より、カウントダウンしてくれる拷問の方がマシじゃない？「あ、Nライン、13分遅れか。じゃあ、まあ、しょうがないか」って、心の準備ができる。一種の諦めだけど、昔の、ただひたすらホームで待ちぼうけを食らうよりは、精神衛生上ずっと良い。
でもね、これ、東京に住んでると感覚が全然違うんだよね。日本の電車って、基本的に時間通りに来るのが当たり前じゃない？人身事故でもない限り。だから、日本の乗り換え案内アプリって「定刻通りに来る電車に、いかに効率よく乗るか」を突き詰めてる。一方で、ニューヨークのアプリは「そもそも定刻通りに来ない現実を、いかに受け入れるか」を助けてくれるツール。同じテクノロジーなのに、前提が全く違うのが面白いなって。
フードデリバリー：歩くのは過去の遺物
これも大きいよね。昔はさ、ニューヨークで何か食べたいと思ったら、アパートを出て、レストランまで歩くしかなかった。当たり前だけど。でも、今は指一本で何でも届く。Uber Eats、Seamless、Grubhub…。名前を挙げればきりがない。
これのおかげで、もう「外に出る」っていう選択肢が、頭の中から消えつつある。特に雨の日とか、真冬とか。パジャマのまま、スマホの画面を見てるだけで、30分後には熱々のピザが玄関に届く。最高だよ、正直。注文した料理が、マップ上の小さいアイコンになって、自分の家に向かってくるのを眺めてる時間…。あれは、なんか、現代の瞑想みたいなもんかもしれない。
ただ、便利すぎて、逆に「食べ過ぎてないか？」っていう罪悪感すら麻痺してくる。深夜3時に寿司を頼みながら、「これってどうなんだろう…」って一瞬思うんだけど、アプリを開いて配達員がもう2ブロック先まで来てるのを見ると、「まあ、いっか」ってなる。後悔を味わう暇もないくらい、スピーディーに欲望が満たされちゃうんだよね。
配車サービス：タクシーを呼ぶ気まずさからの解放
ニューヨーク名物のイエローキャブって、あれ、捕まえるの結構大変だったんだよ。ブロードウェイのダンサーみたいに、腕を高く上げて、複雑なジェスチャーをしないといけない、みたいな。僕、あれが本当に苦手で。
それが今や、UberとかLyftがある。アプリでポチっとするだけで、車の現在地も、ドライバーの顔も、料金の目安も、全部先に分かる。行き先を口頭で説明する気まずさもない。これは本当に楽になった。
…ただ、これも日本とちょっと違うかな。日本だと、最近はGOとかS.RIDEみたいなアプリが主流で、結局はタクシー会社がきっちり管理してるじゃない？でもニューヨークのUberとかって、もっと個人がやってる感じが強くて。だから、来る車もドライバーも本当に様々。90年代のダンスミュージックを大音量でかける陽気な人もいれば、一言も喋らない人もいる。ある意味、ガチャみたいなスリルは残ってるのかもしれない。
じゃあ、どっちの「便利」が良いの？
ニューヨークと東京のテクノロジー事情を比べてみると、面白い違いが見えてくる。どっちが良いとか悪いとかじゃなくて、文化の違いが反映されてる感じ。
| ジャンル | ニューヨーク（NYC）の感覚 | 東京の感覚 |
|---|---|---|
| 公共交通 | 遅延が前提。アプリは「いつ来るか」じゃなくて「あと何分遅れるか」を知るための、まあ…精神安定剤みたいな。 | 秒単位で正確。乗り換え案内アプリがないと、むしろ自分がパニックになるレベル。計画通りに進むのが当たり前。 |
| キャッシュレス決済 | うーん、店によるかな。クレカは必須だけど、スマホ決済？できる店もあるけど…って感じ。意外と現金も使う。 | SuicaかPayPayがあれば大体なんとかなる。財布忘れてもスマホさえあれば生き残れる安心感がすごい。 |
| フードデリバリー | 選択肢がめちゃくちゃ多い。深夜でも早朝でも頼める。まさに「眠らない街」を支えるインフラの一部。 | 選択肢は増えたけど、まだ営業時間とかエリアの制約は結構あるイメージ。でも配達は丁寧で時間も正確。 |
| 配車サービス | Uber/Lyftが完全に生活の一部。タクシーよりこっちが主流。ドライバーも車も多様で、良くも悪くもラフ。 | GOとかのタクシーアプリが強い。結局はプロのタクシーが来る安心感。流しのタクシーもすぐ捕まるし。 |
こう見ると、ニューヨークのテクノロジーって、予測不可能なカオスを「なんとか乗りこなす」ためのツールって感じがする。一方で、東京のテクノロジーは、元々正確でシステマチックな社会を「さらに効率化」するためのツール。同じ便利さでも、目指してる方向がちょっと違うんだよね。
スマートホーム化で、僕らは賢くなったのか？
あとね、家の話。スマートホームってやつ。僕も最近、色々試してて。声で電気をつけたり、音楽をかけたり。「アレクサ、今日の天気は？」なんて話しかけちゃったりして。まるで新しい友達ができたみたいで、結構楽しい。
でも、この前、声で暖房の温度を上げようとしたら、なぜかジャズが流れ始めたんだ。全然、僕が頼んだことと違うのに。その時ふと思ったんだけど、家が賢くなるにつれて、こっちがどんどん馬鹿になってるんじゃないかって。昔は壁のスイッチを押すだけだったのが、今は「どのコマンドだっけ？」って考えたり、うまく認識されなくてイライラしたり。これ、本当に楽になってるのかな…？
結局、テクノロジーは僕らを楽にしたのか？
…で、最初の問いに戻るんだけど。テクノロジーはニューヨークでの生活を楽にしたのか？
答えは、たぶん「イエス」であり、「ノー」でもある。うん。
電車がいつ来るか分かったり、誰とも話さずに食事が手に入ったり、そういう意味では、街の面倒くさい部分をバイパスできるようになった。間違いなく楽になった。でも、そのガジェットに頼れば頼るほど、僕らは現実と向き合う力を失ってるのかもしれない。人と気まずい会話をしたり、予測不可能な事態にイライラしたり、そういうノイズこそが、人間らしさだったり、その街の味だったりしたんじゃないかなって。
まあ、でも、それがニューヨークっていう街なのかもしれないね。愛すべきところと、うんざりするところが同居していて、テクノロジーは、その間を行き来するダンスを、ほんの少しだけ「耐えられる」ものにしてくれる。僕の人生を解決してはくれないけど、少なくとも、そこから気を逸らせてはくれる。…うん、だいたいそんな感じだ。
あなたの生活の中で、「これがないと生きていけないけど、時々すごく嫌になる」テクノロジーってありますか？もしよかったら、教えてください。
