最近、よく聞かれるんだよね。「AI、AIってよく言ってるけど、結局どのノートアプリ使ってるの?」って。うん、わかる。すごくいい質問だと思う。
AIが何でもやってくれる時代になったら、今までこだわってきた道具なんて、もうどうでもよくなるんじゃないか、って思うよね。正直、僕も一瞬そう考えた。でも、色々試してるうちに、ちょっと違う結論にたどり着いたんだ。
TL;DR
大事なツールは、これからも使い続ける。でも、ツール同士をつなぐ面倒な作業は、全部AIに任せる。…だいたい、そんな感じ。
昔はさ、それぞれのアプリが「データの孤島」みたいになってて、情報を移すのが本当に面倒だった。でも今は、その「島」から「島」へ橋を架ける作業を、AIが手伝ってくれるようになった。だから、僕は今、これまで以上に気持ちよく、好きなツールを好きなように使えてるんだよね。
どうやってやるの?僕の今のやり方
僕の今のワークフローは、いくつかの専門的なツールを「軽く」使うことで成り立ってる。いわゆる「重器軽用」ってやつ。それぞれのアプリが持つ一番得意なことだけをやってもらって、あとはうまく連携させる。その流れをちょっと話してみるね。
1. follow: 情報を「集める」んじゃなくて「選ぶ」場所
まず、情報の入り口。X(旧Twitter)とかって、面白い情報も多いけど、正直ノイズも半端じゃない。開くたびに「おすすめ」タブが誘惑してきて、気づいたら1時間…なんてこともザラにあるし。
だから僕は、情報の洪水に飛び込むんじゃなくて、本当に信頼できる情報源だけを、そっと自分の手元に引き寄せる感じ。そのために「follow」っていうツールを使ってる。これは、自分が決めたRSSフィードとか、特定の人の投稿だけを静かに表示してくれる。余計なアルゴリズムのおすすめは一切なし。すごく、穏やかな気持ちで情報に触れられるんだ。
ここで「お、この記事は後でじっくり読みたい」って思ったら、ワンクリックで次のツールに送る。
2. Readwise Reader: とりあえず放り込んでおく「あとで読む」箱
followで見つけた記事とか、誰かからメールで送られてきた面白いリンクとか、そういうのは全部「Readwise Reader」に転送する。これは僕の「情報処理のハブ」みたいなものかな。
Readwise Readerのいいところは、他のツールとの連携がめちゃくちゃスムーズなこと。Webページを見てて「これだ!」って思ったら、ショートカットキー一発(僕の場合は `Option + R`)で保存完了。メールで届いた有料メルマガも、専用アドレスに転送するだけ。簡単すぎて、何も考えなくてもできる。
で、このアプリで記事を読みながら、大事なところにハイライトを引いたり、メモを取ったりする。まあ、ここまではよくある機能だよね。でも、僕の環境では、このハイライトとメモが、ほぼリアルタイムで次のツールに同期される設定になってるんだ。
3. Heptabase: 思考を広げて、つなげる「思考の作業台」
Readwiseから自動で送られてきたハイライトやメモの断片は、「Heptabase」っていうアプリにカードとして溜まっていく。僕にとって、ここが一番重要な「思考の作業台」だね。
何か記事を書こうとか、プレゼンの構成を考えようってなった時、まずHeptabaseのホワイトボードを開く。すると、今まで色々な場所から集めてきた情報のカードがずらっと並んでるわけ。あ、ちなみに、これ、昔の僕だったらRoam Researchでやってた作業に近いかも。でも、Heptabaseのこの視覚的な感じが、今はしっくりきてる。
このホワイトボードを見ると、いつもちょっと興奮する。「あ、もうこんなに材料が集まってるじゃん」って。バラバラだった知識の断片が、すでにある程度の塊になってるのが一目でわかるから、すごく安心するんだ。昔、大学院の先生が「手元に蓄えがあれば、心は焦らない(手中有粮、心中不慌)」って言ってたのを思い出すよ。まさにそんな感じ。
あとは、このカードを並べ替えたり、つなげたり、いらない部分を削ったりしながら、全体の構造を組み立てていく。この作業が、本当に楽しいんだ。
各ツールの使い分け、正直なところ
ここまで話したツール、それぞれの「僕なりの評価」を正直にまとめてみた。あくまで個人的な感想だけどね。
| ツール名 | 主な役割 | 好きなところ | ちょっと面倒なところ |
|---|---|---|---|
| follow | 情報源のフィルタリング | とにかく静か。ノイズがない。心が平穏。 | UIがちょっと…まあ、シンプルと言えなくもない。 |
| Readwise Reader | 「あとで読む」の集約とハイライト | 連携機能が神。何も考えずに情報を集約できる。 | リーディング体験自体は、まあ普通かな。 |
| Heptabase | 思考の整理、構造化 | ごちゃごちゃした思考を広げる場所。これがないと、たぶん記事書けない。マジで。 | たまにカードが多すぎてどこに何があるか忘れる(笑)。あと、まだ開発途上な部分も。 |
| Roam Research | スライド作成(最終段階) | アウトライナーとしての完成度。RevealJSへの書き出しが便利。 | 正直、今はこれくらいしか使ってない。高いツールなのに…もったいないって言われる。 |
そう、Roam Research。今でも使ってるんだ。でも、信じられないくらい「軽く」しか使ってない。Heptabaseでこねくり回した構成案を、最終的にスライドにするためだけ、みたいな。
ここで疑問が湧くよね。「HeptabaseからRoam Researchに、どうやって持っていくの?」って。そう、そこが一番のキモで、一番面倒な部分。そして、AIが登場するところなんだ。
制限と失敗、そしてAIの本当の役割
たぶん、みんながAIに期待するのって、記事を要約してくれたり、文章を書いてくれたり、そういうことだと思う。Readwise Readerにもそういう機能はある。でも、僕のワークフローで本当に重要なAIの役割は、そこじゃないんだ。
一番の課題は、ツール間の「データ形式の壁」。例えば、Heptabaseで整理したテキストと画像をRoam Researchにコピペしても、そのままじゃうまく動かない。見出しのレベルも違うし、画像はローカルパスのままだし…。これを手作業で一つ一つ直していくのは、考えただけで頭が痛くなる。
昔は、この作業に本当にイライラさせられてた。でも、今は違う。
僕は、この変換作業を自動化する簡単なPythonスクリプトをいくつか持ってる。Heptabaseから書き出したMarkdownファイルを、このスクリプトに通すだけ。そうすると、Roam Researchが喜んで読み込んでくれる形式に、一瞬で変換されるんだ。画像のパスも、自動でオンラインのURL(Cloudflare R2にアップしたもの)に書き換えてくれる。
…で、勘のいい人は気づいたかもしれない。「そのスクリプト、自分で書いたの?」って。
まさか。もちろん、昔は夜なべして、一行一行、必死に書いてたよ。他に方法がなかったからね。
でも今は、僕の横にはいつもAIプログラミングアシスタントがいる。やりたいことを日本語で伝えるだけ。「このMarkdownファイルの中の、ローカル画像パスを全部R2のURLに置換して」みたいに。そうすれば、AIがよしなにコードを書いてくれる。
もちろん、AIが書くコードがいつも完璧なわけじゃない。「コーディング3分、デバッグ24時間」なんて冗談もあるくらいだし、実際、たまに変なバグを埋め込まれたりもする。正直、腹が立つこともあるよ。
でも、こういう「ツール間の糊付け」みたいな単純作業のスクリプトなら、AIは十分すぎるほど役に立つ。少なくとも僕の経験ではね。それに、もしAIがコードをめちゃくちゃにしちゃっても、バージョン管理ツールを使えば、すぐに元に戻せる。「まあ、いっか」って気軽に試せる。この安心感が、一番大きいかもしれない。
これは、アメリカのテック界隈でよく見る「一つのアプリで全部やろう!」(Notionとかが典型だよね)っていう思想とは、ちょっと違うアプローチかもしれない。むしろ、日本の技術者コミュニティ(例えばZennとかQiitaとか)で見るような、色々なツールをスクリプトでつなぎ込んで自分だけの環境を作る、っていう考え方に近いのかも。どっちが良い悪いじゃなくて、僕はこっちの方がしっくりくるんだ。
まとめというか、今の気持ち
というわけで、僕は今でも、一つ一つの情報を自分の手で集めて、自分の頭で考えるっていう、泥臭い作業が大好きだ。でも同時に、ツール間のフォーマット変換みたいな、退屈で、面倒で、イライラする作業からは、ほとんど解放された。
その退屈な作業は、AIと自動化スクリプトが引き受けてくれるから。
AIのおかげで、僕は「互換性」のためにツール選びで妥協する必要がなくなった。それぞれのツールの「一番おいしいところ」だけをつまみ食いして、あとはAIっていう執事に「よろしく頼む」って言えばいい。これって、すごく贅沢なことだと思うんだ。
AIは僕の代わりに文章を考えてくれるわけじゃない。でも、僕がもっと文章を考えることに集中できるように、面倒な下準備を全部やってくれる。結果的に、書くことが前よりもっと楽しくなった。不思議だよね。
あなたのワークフローの中で、「これ、AIが自動でやってくれたら最高なのに…」って思う、一番面倒な作業は何ですか?もしよかったら、コメントで教えてください。
