まず、これ何で使うんだっけ?
Googleトレンド。 [無料]。これ基本。 [Googleが提供]。 マーケティング担当者なら、まあ知ってる。でも、意外とちゃんと使えてないかも。
要は、「世の中の人々が、今、何に興味があるか」を数字(インデックス)で見るためのツール。 もっと言うと、キーワードの検索回数がどう移り変わったか、そのトレンドを追える。 これがミソ。SEOとかコンテンツマーケティングでめちゃくちゃ重要になる。
で、具体的に何ができるの?基本機能3つ。
主に使うのは3つかな。 これだけ押さえておけば、だいたいOK。
- 「調べる」機能:キーワード需要の推移を見る
これが一番使うやつ。特定のキーワードが、いつ、どれくらい検索されたかの波をグラフで見る機能。 例えば「アイスコーヒー」とか入れると、夏にグンと伸びて冬に落ちる、みたいなのが一発でわかる。季節性商品の需要予測とかに便利。 - 「急上昇ワード」機能:今、この瞬間の話題を知る
「リアルタイム」と「毎日」の2種類がある。 ニュースサイトとか、速報性が大事なメディアがよく見てるやつ。昨日まで誰も知らなかった言葉が、今日いきなりトレンド1位になったりする。これに乗っかってコンテンツを素早く作ると、アクセスを稼げる可能性がある。 - 「関連キーワード」機能:ユーザーの「次の興味」を探る
「調べる」機能の結果画面の下の方に出てくるやつ。あるキーワードを調べた人が、他にどんなキーワードで検索してるかがわかる。「注目」と「急上昇」の2種類があるのがポイント。「注目」は関連性が高い定番キーワード、「急上昇」は最近になって一緒に検索され始めたキーワード。コンテンツのネタ探しに直結する。
じゃあ、実際にどう使う?マーケティング活用の視点。
ツールがあるのはわかった。でも、そのデータをどう料理するかが本題。
まず、コンテンツを作る「タイミング」がわかるのが大きい。 例えば、毎年「母の日 プレゼント」が4月に入ってから伸び始めるのがわかっていれば、それに合わせて記事を公開したり、広告を準備したりできる。先回りできるわけだ。
もう一つは、キーワード選定。AとB、どっちの言葉が今伸びてる?みたいな比較ができる。 例えば、「メタバース」と「Web3」、一時期どっちもバズワードだったけど、今の勢いはどう違うか、とか。5つまで同時に比較できるから、自社の商品やサービスに関連するキーワード群の力関係を把握できる。
キーワードプランナーと何が違うの?これ、よく聞かれる。
Googleには「キーワードプランナー」っていう、似たようなツールもある。広告出す人向けだけど。こっちは実際の検索「回数」(ボリューム)がわかる。 じゃあ、トレンドは要らない?いや、そうじゃない。
役割が違う。一言で言うと、
- Googleトレンド:相対的な「人気度」の推移を見る。勢いがわかる。未来予測に近い。
- キーワードプランナー:絶対的な「検索回数」を見る。今の市場規模がわかる。現状把握。
これを表にすると、もっとわかりやすいかも。
| 比較ポイント | Googleトレンド | Googleキーワードプランナー |
|---|---|---|
| わかること | キーワードの「人気度」の推移。相対的な勢い。一番人気があった時を100とした指数。 | キーワードの「月間平均検索ボリューム」。具体的な検索回数。 |
| 得意なこと | 季節性の発見、急上昇トピックの察知、未来の需要予測。 | 広告出稿の計画、具体的なSEOターゲット選定。 |
| データの見え方 | 折れ線グラフで視覚的。直感的。 | 数値データ。表形式。分析的。 |
| 個人的な使い方 | 「なんか面白いネタないかな?」って時の壁打ち相手。世の中の空気感をつかむ感じ。 | 「この記事、本当に検索する人いる?」って時の答え合わせ。現実的な数字を見る感じ。 |
海外との比較で見えてくること [Localization Delta]
これ、面白い使い方。同じキーワードでも、国によってトレンドの形が全然違うことがある。 例えば「花粉症」。日本では2月~4月に巨大な山ができる。これはもう国民病レベル。
じゃあ、アメリカでは?「allergies」(アレルギー)で調べてみる。そうすると、春にも山はあるけど、秋にももう一つ山があったりする。ブタクサとか、アレルギーの原因が違うから。 この違いを知っておくと、グローバルなマーケティング戦略を立てる時にすごく役立つ。日本だけの常識で考えちゃダメだってことが、データでわかる。コンテンツマーケティングのアメリカと日本の違いは、こういう国民性の違いも背景にあるのかもね。
注意点とか、よくある勘違い
最後に、注意点。これを知らないとデータを誤読する。
一番大事なのは、Googleトレンドの数字は「検索ボリュームの実数」ではないということ。 何度も言うけど、期間内で最も検索された時点を100とした「相対的な」数値。 だから、グラフの山が低いからといって、検索回数がゼロなわけじゃない。あくまで人気度の波を見てるだけ。
あと、データはサンプリングされている。 Googleの全検索データを使ってるわけじゃないから、多少のブレはあると思っておいた方がいい。まあ、傾向を掴むには十分すぎる精度だけど。
最近、APIもアルファ版で出てきたみたいだね。 これが一般公開されたら、もっと面白い分析ができるようになるかも。定点観測とか、他のデータとの連携とか。 夢が広がる。
結局のところ、Googleトレンドはただのツール。これで何が見えるかは、こっちの「問い」の質次第。漫然と眺めるんじゃなくて、「この業界、次に来るトレンドは?」「この商品、いつ仕掛けるべき?」みたいな仮説を持って触ると、急に面白い発見が見つかるはず。
あなたなら、最初に何を調べますか?
この記事を読んで、最初にGoogleトレンドで検索してみたいと思ったキーワードは何ですか? 自分の仕事に関わること、趣味のこと、何でもOKです。ぜひ、下のコメント欄で教えてください。
