グラフィックデザインで1日1500ドル…本当に?
最近よく見るんだよね、こういう話。グラフィックデザインを学んで、オンラインのマーケットプレイスで稼ぐ。しかも1日に1500ドルとか…日本円で20万以上か。正直、本当かなって思う。
でも、完全に無理な話でもないのかもしれない。どういう理屈で、どんな人がそれを可能にしてるのか。ちょっと自分なりに整理してみる。これは夢物語じゃなくて、ロードマップなんだ、と。そういう視点で。
そもそも、どんな場所で稼ぐ話なんだろう
「マーケットプレイス」って言っても色々ある。いきなりスキルを身につけろって言われても、どこで売るのかイメージできないと、やる気も出ないし。まずはそこから。
有名なところだと、この辺りかな。
| プラットフォーム | どんな感じ? | 向いてそうな人 |
|---|---|---|
| Fiverr | 「ロゴ作ります 50ドル」みたいな感じで、サービスを商品として出品する。手軽に始められる。でも単価は安めになりがち。 | 初心者。とにかく実績を積みたい人。数をこなすのが苦じゃない人。 |
| Upwork | 企業とかが「こういうデザイナー探してます」って募集を出して、こっちから応募するスタイル。長期の契約とか、高単価な案件が見つかることも。 | ある程度経験があって、クライアントとしっかり関係を作りたい人。提案文を書くのが面倒じゃない人。 |
| Etsy | ここはちょっと特殊。自分で作ったデジタル商品を売る。インスタのテンプレートとか、デジタルプランナーとか。一度作れば、あとは自動で売れる…かもしれない。 | 受動的な収入源が欲しい人。流行を読んで、売れるテンプレートとかを作るのが得意な人。 |
| 99designs | コンペ形式。企業が「ロゴ募集!」ってお題を出して、世界中のデザイナーが応募。選ばれたら賞金ゲット。勝てばデカいけど、負けたらゼロ。 | 腕試ししたい人。自分のデザインがどこまで通用するか知りたい挑戦者。…ちょっとギャンブルっぽいかな。 |
なるほど。つまり「1日1500ドル」っていうのは、どれか一つで達成するっていうより、これらを組み合わせる感じなのかもしれない。例えば、Upworkで高単価の仕事をこなしつつ、Etsyで受動的な収入を得るとか。…うん、それなら少し現実味が出てくる。
あ、ちなみに日本だとココナラがFiverrに近い感じだよね。まずは国内で試してみるのもありか。
じゃあ、どうやってスキルを身につけるのか
これが一番の壁だよな。デザインの学校なんて行ってないし。でも、今は独学でプロになってる人も多いらしい。大事なのは、何から手をつけるか。
ステップ1:基礎を学ぶ。本当に基礎だけでいい。
いきなりすごいものを作ろうとしなくていい。まずはこれだけ。
- 色彩理論とタイポグラフィ:どの色を組み合わせると心地よく見えるか。どのフォントが読みやすいか。…これ、一番大事かも。
- レイアウトと視覚階層:どこを一番見てほしいのか、情報の優先順位をどうやってデザインで示すか。余白の使い方とか。
- ブランディングとロゴデザイン:ただのマークじゃなくて、その会社や商品の「らしさ」をどう表現するか。
- SNS用の画像:インスタの投稿とか、YouTubeのサムネイルとか。これは需要がすごくありそう。
教材は…正直、今はいくらでもある。Canvaのデザインスクールは無料だし、YouTubeで「graphic design basics」とか検索すれば山ほど出てくる。英語のチャンネルだけど、The FuturとかSatori Graphicsあたりはよく聞く名前。見てるだけでも勉強になる。
個人的には、まずCanvaとかAdobe Expressみたいな簡単なツールで始めて、慣れてきたらIllustratorとかFigmaに手を出すのがいいと思う。いきなりプロ用のツールを触ると、たぶん挫折する。
ステップ2:ポートフォリオを作る(クライアントがいなくても)
これが鶏と卵問題。実績がないと仕事がもらえない。でも仕事しないと実績が作れない。じゃあどうするか。
答えは「架空のプロジェクト」をやる、これに尽きる。
- 存在しない会社のロゴを作ってみる。
- 自分が好きなブランドのSNS投稿を勝手にデザインしてみる。
- 架空のイベントのポスターとか。
それをBehanceとかDribbbleみたいなデザイナー向けのSNSにアップする。あるいは、ただのGoogleドライブのフォルダでもいい。とにかく「私にはこれくらい作れます」っていう見本帳を作ること。
あと、ちょっと勇気がいるけど、知り合いの店とか、地域のNPOとかに「無料でデザインしますよ」って提案してみるのも手。その代わり、実績として公開させてもらう。実際のフィードバックをもらえるし、「本物の仕事」っていう経験は何より大きい。
で、本当に1日1500ドルなんて可能なのか?
スキルとポートフォリオができたとして、問題の「1日1500ドル」。これをどうやって実現するかの戦略。夢物語で終わらせないための、具体的な計算。
戦略1:高単価の案件を組み合わせる
Upworkとか、直接契約のクライアントでこれを狙う感じかな。例えば…
- 企業のブランディング一式:2000ドル(これを数週間でやる)
- ウェブサイトのデザイン:3000ドル
- 投資家向けのプレゼン資料作成:1000ドル
こういうのを月にいくつかこなせば、日割りで1500ドルは見えてくる…かもしれない。でも、これはもうトップクラスのフリーランスの話。かなりの経験と交渉力が必要。
アメリカの求人情報サイトIndeed.comとか見ると、トップ層は時給100ドル超えも普通にいるみたいだから、数字としてはあり得なくはない。でも、日本の感覚で考えると、ちょっとすぐにはイメージしづらい金額ではある。文化や市場の違いは大きい。
戦略2:案件とデジタル商品を組み合わせる
これが一番現実的かもしれない。
- FiverrやUpworkでのクライアントワーク:1日あたり800ドル分くらいの仕事量。
- Etsyでのデジタル製品の売上:1日平均400ドル。
- 自分のブログやYouTubeからのアフィリエイト収入など:300ドル。
合計: 1500ドル
収入源を分散させる。クライアントワークがゼロの日でも、Etsyが稼いでくれるかもしれない。この安定感は精神的にすごく楽そう。
戦略3:チーム化する、代理店になる
自分一人でやる限界が来たら、他のデザイナーに仕事を振る。自分はプロジェクト管理とクライアントとの窓口に徹する。そうすれば、より多くの仕事を、より高い単価で受けられるようになる。もうこれはフリーランスじゃなくて、経営者の視点だな。
よくある失敗と、そうならないためのメモ
成功例ばかり見ても仕方ない。どういう時に失敗するのか。自分への戒めとして書いておく。
- 学習だけで満足してしまう:いつまでもインプットばかりで、ポートフォリオを作らない。一番多いパターンかも。とにかく何か作って、公開すること。下手でもいいから。
- 安請け合いしすぎる:特に最初の頃。実績が欲しいからって、あまりに安い仕事ばかり受けてると、疲弊して続かない。どこかで勇気を出して価格を上げる必要がある。
- コミュニケーションを怠る:これはどんな仕事でもそうだけど。特にオンラインだと大事。クライアントの意図を正確に汲み取らないと、修正地獄になる。
- 他人と比べすぎる:Behanceとか見ると、すごいデザイナーばかりで落ち込む。でも、あの人たちにも最初の1日があったはず。比べるのは昨日の自分だけにする。
結局、一番の敵は「やらないこと」と「続けないこと」なんだろうな。最初の10ドルを稼ぐのが一番大変で、でも一番価値がある。それが「可能だ」っていう証明になるから。
…こうやって整理してみると、1日1500ドルっていう数字は、あくまで頂上にある旗みたいなものか。いきなりそこを目指すんじゃなくて、まずは麓の村から、装備を整えて、一歩ずつ登っていく。そんなイメージ。遠いけど、道筋は見えなくもない。そんな感じがする。
あなたなら、まず何から始めてみますか?架空のロゴ作り?それとも、得意なSNSのテンプレート作り?もしよかったら、あなたの最初のステップを教えてください。
