最近、クライアントさんとか同業者から「AMPって、今どうなんですかね?」「もうSEO効果ないって本当?」みたいなことを、本当によく聞かれるんですよね。正直、一時期の熱狂ぶりが嘘みたいに、最近はちょっと下火な話題になっている感じがします。
まあ、無理もないかなとは思います。Googleの方針も変わりましたし、AMPを導入してもうまくいかなかった、なんて話も聞きますしね。 でも、だからといって「AMPは完全にオワコン!」と切り捨ててしまうのは、ちょっと早いかなとも思うんです。個人的には。状況によっては、まだ使える場面もあるんじゃないかな、と。
なので今日は、2025年現在のAMPの立ち位置について、僕なりの考えを整理してみたいと思います。草稿みたいなものなので、ちょっとまとまりがなかったらごめんなさい。
先に結論だけ言うと…
もう、サクッと結論から言っちゃいますね。AMP自体が直接的に検索順位を上げる、みたいな「特別扱いの魔法」はもうありません。 昔は検索結果にカミナリマークが表示されて、それだけで有利だったんですけど、今はもうあのマークもなくなりました。
じゃあ、もう意味ないのかっていうと、そう単純でもなくて。大事なのは「ページの表示速度」そのものです。AMPは、その表示速度を上げるための一つの「手段」にすぎなくなった、という感じですね。 Googleが評価するのはあくまで「ユーザー体験(ページエクスペリエンス)」であって、AMPを使っているかどうかじゃないんです。 そのユーザー体験を測る指標として、今は「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」というものがあります。 このスコアが良ければ、AMPを使っていなくても別にいいわけです。
要するに、「AMP = SEOに効く」から、「ページの高速化 = ユーザー体験の向上 = SEOに効く」という、より本質的な話に変わったってことですね。
そもそもAMPって、何で昔あんなに騒がれたんだっけ?
今の状況を理解するには、なんでAMPが登場したのかを振り返るのが一番わかりやすいと思います。あれは2015年とか2016年頃の話でしたね。 当時って、今よりもスマホの通信速度が遅くて、Webページを開くのにすごく時間がかかっていたんです。
そこでGoogleが「もっとモバイルユーザーに快適なウェブ体験を!」と音頭をとって始めたのが、このAMP(Accelerated Mobile Pages)プロジェクトでした。 技術的な難しい話は省きますけど、すごくざっくり言うと、機能を制限した簡素なHTML(AMP HTML)を使って、さらにそのデータをGoogleのサーバーに一時保存(キャッシュ)しておくことで、爆速でページを表示させる仕組みです。
当時はこれが画期的で、特にニュースサイトなんかはこぞって導入しました。なぜなら、検索結果の上位に表示される「トップニュース」のカルーセル枠に載るためには、AMP対応が必須条件だったからです。 あれは大きかった。だからみんな必死で対応したわけです。
  潮目が変わった瞬間:コアウェブバイタル(CWV)の登場
その流れが大きく変わったのが、2021年の「ページエクスペリエンスアップデート」です。 このアップデートで、Googleは「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」っていう新しい指標を、検索順位の要因に加えるよ、と発表しました。
これは、ページの表示速度(LCP)、ユーザーの操作への反応性(FID、今はINPに代わっています)、表示の安定性(CLS)という3つの指標でユーザー体験を評価するものです。 つまり、Googleは「AMPかどうか」という技術の採用有無ではなく、「実際にユーザーが快適かどうか」を直接評価する方向に舵を切ったわけです。
そして、このアップデートで決定的だったのが、トップニュースの掲載条件からAMPが必須じゃなくなったことです。 コアウェブバイタルの基準を満たしていれば、どんなページでも掲載されるようになったんです。 これで、多くのサイトにとってAMPを導入する最大のメリットが一つ消えてしまったんですね。 このあたりから、「AMPってもういらないんじゃない?」という声が大きくなってきた、というのが正直なところです。
ちなみに、この方針転換はGoogleのグローバルなものでしたが、特に日本のように多くのメディアサイトがAMPに投資していた市場では、その影響や戸惑いが大きかったように感じます。海外のSEO専門家のブログでも「AMPはあくまで選択肢の一つ」という論調が強まっていきました。
  じゃあ、2025年の今、AMPを導入するメリット・デメリットは?
じゃあ、結局のところ、今AMPをやる意味ってあるんでしょうか。僕なりに、メリットとデメリットをテーブルにまとめてみました。結構、口語で書いちゃいますけど、そのほうがリアルかなと。
| 評価ポイント | メリット(良いところ) | デメリット(微妙なところ・注意点) | 
|---|---|---|
| 表示速度 | これはやっぱり速い。ちゃんと実装すればコアウェブバイタルのスコアも改善しやすい。 めんどくさい速度改善をある程度肩代わりしてくれる感じ。 | いや、でも最近はAMPじゃなくても速いサイト作れるよね、っていう。AMPのプラグイン入れたら逆に遅くなった、なんて話も聞きますし…。 | 
| 実装・運用コスト | WordPressならプラグインで結構簡単に導入できる。 専門知識がなくても、ある程度形にはなるのは楽。 | ただ、凝ったことしようとすると途端に面倒くさくなる。 通常ページとAMPページの二重管理になるから、修正の手間が2倍になることも。 正直、これが一番のネックかも。 | 
| デザイン・機能の自由度 | (うーん、正直メリットはあんまりないかも…)制約があるからこそ、逆にシンプルなデザインに集中できる、とか…?苦しいか。 | これはもう圧倒的にデメリット。使えるJavaScriptやCSSに厳しい制限があるから、動的なコンテンツとか、凝ったデザインはほぼ無理。 広告の種類も制限されるから収益が下がる可能性も。 | 
| SEO効果 | 表示速度が改善することで、ユーザーの離脱率が下がったり、滞在時間が延びたりして、間接的に良い影響がある可能性はある。 | 「AMPだから」という直接的な順位アップ効果はもうない。 トップニュースの優遇もなくなったし、昔ほどの旨味はないですね。 | 
結局、私たちのサイトはAMPを使い続けるべき?やめるべき?
このテーブルを見ると、「じゃあ、やっぱりやめた方がいいじゃん」って思うかもしれません。でも、一概にはそうとも言えないのが難しいところです。
僕が考える「導入・継続を検討してもいいかも」なケースは、こんな感じです。
- ニュースサイトや記事コンテンツがメインのメディアサイトで、とにかく大量のページがある。
 - 開発リソースがあまりなくて、自力でサイトを高速化するのが難しい。
 - WordPressを使っていて、信頼できるAMPプラグインでサクッと対応できる。
 - デザインにそれほど凝る必要がなく、コンテンツを早く読んでもらうことが最優先。
 
こういうサイトなら、AMPはまだ「手っ取り早く速度改善をするための有効な選択肢」になり得ます。
逆に、「やめた方がいいかも」 혹은「最初から導入しない方がいいかも」なのは、
- デザインやブランドイメージが重要なECサイトやコーポレートサイト。
 - インタラクティブな機能(予約フォーム、シミュレーターなど)が重要なサイト。
 - 専門の開発チームがいて、自力でコアウェブバイタル対策ができる。
 - 広告収益がメインで、AMPの制約によって収益が下がるのが困る。
 
といったケースですね。こういうサイトは、AMPの制約が足かせになる可能性の方が高いです。無理にAMPに合わせるより、普通にレスポンシブデザインのサイトをしっかり作り込んで、コアウェブバイタルを改善していく方が幸せになれると思います。
  【余談】AMPをやめる時の注意点
あ、そうそう。もし「よし、うちのサイトもAMPやめよう!」ってなった時のために、一つだけ大事な注意点を。これ、結構忘れがちなんですけど、めちゃくちゃ重要です。
AMPページをやめる時は、必ずAMPページのURL(例:`example.com/page/amp/`)から、元の通常ページ(例:`example.com/page/`)へ、301リダイレクト(恒久的な転送設定)をかけてください。これをやらないと、GoogleにインデックスされてたAMPページが大量の404エラー(ページが見つかりません)になって、検索順位に悪影響が出る可能性があります。
プラグインでAMPを無効にするだけだと、この設定が漏れることがあるので、Search Consoleでエラーが出ていないか、ちゃんと監視することが大事ですよ。
というわけで、AMPについてつらつらと書いてみました。結論としては、「必須じゃないけど、場合によってはまだ使える選択肢の一つ」。そんな感じでしょうかね。皆さんのサイトでは、AMPどうしてますか? もし「うちはこうしてるよ!」とか「やめたらこうなった!」みたいな経験談があったら、ぜひコメントで教えてもらえると嬉しいです。
                            
												
                                            