「マーケティングって何？」って聞かれること、結構あるんだよな。うん。で、正直に言うと、毎回ちょっと答えに詰まる。広告を出すこと？市場調査？いや、それもそうなんだけど、もっと…根っこの部分の話な気がして。
なんかこう、かっこいいフレームワークとか、専門用語を並べるのは簡単なんだけど。でも、それって初心者の人が本当に知りたいことなのかなって。たぶん、違うよね。
先說結論
うーん、一言で言うなら…「頑張って売らなくても、自然と売れていく仕組みをつくること」。これかな。 経営学者のピーター・ドラッカーも似たようなこと言ってる。「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ」って。 これが、たぶん一番しっくりくる。
じゃあ、具体的にどう考える？
いきなり「戦略を立てろ！」とか言われても、困るじゃないですか。だから、もっとシンプルな思考の順番で考えてみる。僕がいつも頭の中でやってることを、そのまま書き出してみるね。
まず、一番大事なのは「売る」っていう気持ちを一旦、脇に置くこと。本当に。そこからスタート。
次に考えるのは、「誰かの悩み」とか「もっとこうだったらいいのに」ってこと。つまり、顧客が本当に求めているものを知ること。これが全ての始まり。 新しい商品開発も、実はここからなんだよね。
それがぼんやり見えてきたら、次は有名なフレームワークがちょっとだけ役に立つ。でも、構えなくていい。ただの思考の整理道具だから。
- STP分析とかいうやつ：難しく聞こえるけど、要は「誰に（Segmentation/Targeting）、どんな存在だと思われたいか（Positioning）」を考えるだけ。 全員に好かれようとしなくていい。たった一人の「あなた」のために作る、くらいの気持ちで。
- 4P分析：これも有名。 STPで決めた「誰か」に対して、「何を（Product）」「いくらで（Price）」「どこで（Place）」「どうやって知らせるか（Promotion）」を考えること。 この4つのバランスが大事。
この辺りの考え方、アメリカと日本でちょっとニュアンスが違うのが面白いんだ。アメリカマーケティング協会（AMA）の定義は、すごくこう…学術的。「顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動…」みたいな。 でも、日本ではもっとシンプルに「売れる仕組みをつくること」ってよく言われる。 どっちが正しいとかじゃなくて、国民性が出てる感じがして、個人的には好きだな。
結局、すべては「聞く」ことから始まる
フレームワークの話をしたけど、正直、最初はそんなのどうでもいい。一番最初にやるべきことは、たった一つ。「聞くこと」だ。
例えば、近所のパン屋さん。あそこのマーケティングって何だろうって考える。チラシ？いや、それだけじゃない。店先で新商品の試食をさせてくれる（Promotion）。駅からの帰り道にある（Place）。ちょっと高いけど、あの店の天然酵母パンじゃなきゃダメだと思わせる味（Product）。そして、その価値に納得できる価格（Price）。
これって、全部「お客さんは何を求めてるんだろう？」って店主が考えた（聞いた）結果なんだよね。だから、机の上で難しい顔して分析する前に、まずはお客さんと話してみる。なんでうちの店に来てくれるんですか？って。それが一番の市場調査になる。
考え方のちょっとした違い
昔ながらのやり方と、今のやり方。どっちが良いとか悪いとかじゃなくて、考え方の軸がちょっと違う。それを比べてみると、自分がどっち寄りかわかって面白いかも。
で、最初の一歩は？
ここまで読んで、「じゃあ、月曜から何をすればいいの？」って思ったかもしれない。僕がもし、完全にゼロから始めるなら、これだけをやる。
- お客さん5人と話す：買ってくれた理由、使ってみてどうだったか、正直に教えてもらう。
- 買わなかった人5人と話す：なぜ買わなかったのか、何が決め手にならなかったのか。こっちの方が大事かも。
- 競合を1つだけ見る：ウェブサイトでも店でもいい。自分たちより「うまいな」と思うところを1つだけ見つける。
これだけ。難しい分析はいらない。まずは、この3つから得られる「生の声」が、どんな高価な市場調査レポートよりも価値があるから。
これだけは注意して
最後に、いくつか。よくある落とし穴について。
まず、マーケティングは魔法じゃない。ひどい商品を売れるようにはできない。あくまで「良いものが、ちゃんと欲しい人に届く」ようにする手伝いだから。
それから、人の真似だけしてもうまくいかない。 ユニクロの成功事例はすごいけど、あなたの会社はユニクロじゃない。 顧客も違えば、強みも違う。だから、参考にはするけど、丸パクリはダメ。絶対。
あと、時間はかかる。特にウェブサイトとかSNSとか、すぐには結果は出ない。じっくり育てる感覚が必要。焦ってやめちゃうのが一番もったいないからね。
結局のところ、マーケティングって「部署」の名前じゃなくて、「姿勢」や「考え方」そのものなんだと思う。うん。そんな感じだ。
あなたにとって、マーケティングって一番難しいのは何ですか？ よかったらコメントで教えてください。
