デジタルヘルスアプリが失敗する理由と開発時の課題整理

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最近、ヘルスケアアプリについて考えてたんだけど、面白いことに気づいて。App StoreにもGoogle Playにも、健康管理のアプリって星の数ほどあるじゃない?睡眠トラッカー、服薬リマインダー、食事記録、生理周期、瞑想ガイドまで…なんでもある。

データを見ても、2024年には世界のヘルス&ウェルネスアプリのダウンロード数が36億件に達したとか。市場規模もすごいことになってる。でもね、正直、ほとんどのアプリはダウンロードされても30日以内に消されてるんだって。AppFlyerの調査でそういう結果が出てる。これって、一体何なんだろうね。

資金がなかったわけでも、ニーズがなかったわけでもない。じゃあなんで?

重点一句話

要するに、ほとんどのアプリは「画面の向こうにいる、悩みや痛みを持った生身の人間」じゃなくて、「理想的な、規律正しいユーザー」を想定して作られちゃってる。それがすべての失敗の根源だと思う。

そもそも、なんでこんなにアンインストールされるの?

いくつか理由があるんだけど、メモがてら書き出してみる。

まず、一番大きいのがこれ。

1. 「普通の人」を想定してない

多くのアプリ開発者は、ユーザーがみんなITリテラシーが高くて、超人的な意志で毎日記録を続けられると思ってるフシがある。でも現実は全然違う。

  • 分かりにくい操作画面に付き合うほど暇じゃない。
  • そもそも健康上の悩みで、すでに頭がいっぱい。
  • 毎日のデータ入力なんて、正直面倒くさい。
  • 慢性的な痛みや疲労、精神的なストレスを抱えながら使おうとしてるかもしれない。

本当にアプリを必要としてる人ほど、自分のスマホの操作方法すらおぼつかないことだってあるんだよね。この視点がすっぽり抜け落ちてる。

2. UI/UXがただ悪い

「ヘルスケアアプリでしょ?デザインは二の次でいいや」みたいに思われてるケース。ユーザーがアプリストアであなたを見つけて、ダウンロードして、目標を達成するまで…そのすべての体験が「旅」なんだよね。その旅が苦痛だったら、そりゃ途中でやめるよ。

ユーザー体験のジャーニーって、だいたいこんな感じ。
ユーザー体験のジャーニーって、だいたいこんな感じ。

3. 信頼性がゼロ

これは二つの側面に分けられるかな。プライバシーと、医学的な正しさ。

まず、データプライバシー。お金の情報より、健康情報のほうがよっぽどデリケート。生理周期とか、精神薬の服用歴とか、そういう情報をよく分からないアプリに渡したい人なんていない。ちょっと前に、有名な生理管理アプリがユーザーデータを第三者に売ってたって話で、大炎上して一斉削除が起きたよね。

この点、アメリカにはHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)があるし、ナイジェリアにはNDPRっていうデータ保護規則がある。もちろん、日本にも個人情報保護法や、厚生労働省が出してるガイドラインがある。でも、アプリがそれを本当に遵守してるか、ユーザーには分かりにくいのが問題。

そして、医学的根拠のなさ。「PCOSには生姜とニンニク水を飲め」みたいな、科学的根拠のない情報が拡散されたりする。専門家の監修もなしに、標準的な治療法と矛盾するようなアドバイスを繰り返されたら、信頼なんてあっという間になくなるよね。

4. 機能過多で、価値が希薄

食事管理、メンタルヘルスガイド、歩数計、水分補給リマインダー、バーチャルナース…全部やろうとするアプリ。こういうのは大抵、ユーザーを混乱させて、アプリの動作を重くして、結局誰も使わなくなる。Floが生理と妊活に、Headspaceがマインドフルネスに特化してるから成功してるんだと思う。

じゃあ、どうすればいいの?

解決策も、問題の裏返し。シンプルに考えてみる。

まず、当たり前だけど、「本物の人間」を開発の初期段階から巻き込むこと。ベータテスターだけじゃなくて、本物の患者さん、医療従事者、学生、毎日忙しく働いてる人たち。一番ITに疎い人を基準に作るくらいでちょうどいい。「うちの60歳のおばさんが使い方を一度で覚えられないなら、そのアプリはまだ世に出しちゃダメ」ってこと。

左がダメな例、右がいい例。一目瞭然でしょ。
左がダメな例、右がいい例。一目瞭然でしょ。

次に、「一つの深い悩み」を、めちゃくちゃ上手に解決すること。競合がやってるからって新機能を追加するんじゃなくて、すべての機能がユーザーの課題解決にどう貢献するのか、データで証明できないといけない。

このへん、ちょっと表にまとめてみようか。

ダメなアプリの特徴 良いアプリの特徴
ダイエットも、メンタルも、睡眠も…全部やろうとして全部中途半端。 一つの「深い悩み」(例:妊活)をめちゃくちゃ上手に解決してくれる。
どこの誰だか分からない「健康のヒント」。生姜とニンニクで全部治る的な… ちゃんと専門家が監修してる。誰が言ってるか分かるから安心。
機能が多すぎてボタンだらけ。どこを押せばいいの?ってなる。 おばあちゃんでも使えるくらいシンプル。迷わない。
ただ記録するだけ。三日坊主まっしぐら。なんの感情も湧かない。 小さな成功を「よくやったね!」って褒めてくれる。行動科学のデザインがうまい。
アメリカ人向けの食事メニューとか、日本人に合わない提案をしてくる。 ちゃんとローカライズされてる。納豆とか味噌汁とか、身近なもので提案してくれる。

そう、それで思い出した。行動科学のデザインを取り入れるのも大事。人間は情報だけじゃ動かないからね。習慣化を助けるための仕掛けが必要。連続記録のバッジとか、進捗チャートとか。「5日間連続で食事を記録しましたね!おめでとうございます!」みたいな小さな祝福とか。「昨日の瞑想で、あなたのストレスレベルが20%低下しました」みたいなパーソナルなフィードバックとか。こういうのが、ユーザーとの絆を作る。

ローカライズを忘れないで。これ、超重要

元の記事にナイジェリアの例があったけど、これ、本当に核心を突いてると思う。例えば、フィットネスのために「ラゴスの交通渋滞の中を自転車通勤しろ」って提案するようなものだって。無茶苦茶だよね。

これは日本でも同じ。普段、ご飯と味噌汁が中心の高齢者に対して、健康のためにってパンとパスタとオートミールばかり勧めるアプリがあったとしたら? 多分、すぐ使われなくなる。その土地の食文化、生活習慣、使われてる言葉、なんなら医薬品の現地での呼び名とか、そういうのに根差してないと、アプリは「他人事」になっちゃう。

その土地の文化に根付いてないと、結局は使われないよね。
その土地の文化に根付いてないと、結局は使われないよね。

あと、パフォーマンスも。特に新興国市場を狙うなら、低スペックのスマホでもサクサク動くようにしないとダメ。読み込みに30秒かかったり、すぐ落ちたり、データ通信量やバッテリーをバカ食いするアプリは、どんなにアイデアが良くても即アンインストール行きだよね。iPhone 15でテストするだけじゃなくて、数年前のミドルレンジAndroidでもちゃんと動くか確認しないと。

結局、ヘルスケアアプリって、テクノロジーの話じゃないんだ。画面の向こう側にいる「人間」を、どれだけ深く理解しようとしてるかって話なんだと思うな。


ちょっと質問です。

あなたが今まで使ったヘルスケアアプリで、「これは最悪だった…」とか「ここが本当にイライラした!」っていう体験、何かありますか?もしくは、逆に「これは神!」って思った機能でも。ぜひ教えてください。

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Comments

  1. Guest 2025-08-15 Reply
    へえ、デジタルヘルスアプリって難しいんだね。確かに使いにくいやつ多いよね。個人的にはUXとかデータの信頼性って超大事だと思うけど、実際どうなんだろう?
  2. Guest 2025-08-07 Reply
    わが子の健康管理アプリ、どれがいいか迷ってるんですけど。子供の使いやすさとか、親の安心感とかってどう考えればいいんでしょうね。セキュリティとか気になるし…誰か経験者いたら教えてください!
  3. Guest 2025-07-31 Reply
    へえ、デジタルヘルスアプリって難しいんだね。でも、本当にそんなに問題だらけなの?もっと具体的な改善点とか、成功例とかないの?
  4. Guest 2025-05-15 Reply
    デジタルヘルスアプリの成功には、ユーザー視点がめっちゃ大事だよね。特に私たち大学生は忙しいから、使いやすいUIやプライバシーへの配慮は必須!もっと工夫してほしいなぁ。