多すぎるツールにサヨナラ。脳がクリアになる、たった3つの最強仕事術
最近よく聞かれるのが、「仕事がごちゃごちゃで、もうカオスです。本当に機能するシステムってないですか?」っていう相談。これ、結構切実な悩みだと思うんですよね。特に、CEOとか、自分で事業やってる人とか、情報とタスクの洪水に溺れちゃってる人が多い。
みんな、もっとすごい機能がついた、複雑なツールがたくさん必要だって思い込んでる。でもね、正直、答えはもっと…なんていうか、驚くほどシンプルだったりするんですよ。
僕自身、複数の会社を回しながら私生活もあって、まあ、正当化しようと思えば15個くらいツールを使ってもいい状況なんですけど…白状すると、もし全部捨てて最小限にしろって言われたら、たった3つのツールでプロとしての仕事は全部回せる。これ、机上の空論じゃなくて、実際に試行錯誤して行き着いた、かなりリアルな結論です。
重点一句話
完璧な「万能ツール」を一つ探すのはもうやめよう。本当に必要なのは、「情報」「タスク」「時間」をそれぞれ専門で管理する、たった3つのツールを組み合わせた「システム」なんです。
複雑な世界で、なぜ「シンプルさ」が最強の武器になるのか
「NotionもObsidianも試した。TrelloもAsanaもダメだった。何を使っても、自分には合わないんです」。こういう告白、毎週のように聞きます。僕らのところに相談に来る頃には、もう何十個もアプリをインストールしては挫折して…の繰り返し。
でも、みんな気づいてない。これ、「複雑さの罠」ってやつにハマってるだけなんです。複雑な問題には、複雑な解決策が必要だっていう、大きな勘違い。
実際は、全くの逆。プロジェクトが増えて、責任が重くなるほど、システムに複雑さを足すのは、火に油を注ぐようなもの。だって、新しいツールを一つ増やすたびに、チェックする場所が増え、使い方を覚える時間が必要になり、どこに何を入れるか迷う時間が増える。結局、そのシステムを管理する精神的なコストが、本来片付けるべき仕事量と同じくらいになっちゃう。
昔、あるマーケティングディレクターの例がまさにそれでした。彼女、9個もアプリを駆使して、それは見事な個人用生産性システムを構築してたんです。
- プロジェクト計画はNotion、永久保存版のメモはObsidian。
- さっと書くメモはApple Notes、WebクリップはEvernote、会議の議事録はOneNote。
- 個人のタスクはTodoist、簡単なリマインダーはGoogle Tasks、場所に基づくリマインダーはApple Reminders。
- そしてスケジュール管理はGoogle Calendar。
結果、どうなったか。彼女は毎日2時間近くを、この「生産性システム」の維持に使ってたんです。ツール間で情報を移動させたり、新しい項目をどこに入れるか決めたり、保存したはずのものを探したり…。もはや、生産性システムを管理することが、もう一つの仕事になっちゃってた。
本当にパワフルなシステムって、最も多機能なものじゃなくて、最も焦点が絞られているもの。だから、意図的にツールを制限することで、判断疲れが減って、メンテナンスの手間もなくなって、本当に重要なことだけに集中できるようになるんです。
どうやってやるの?生産性の「3つの柱」を立てる
じゃあ、具体的にどうすればいいのか。ポイントは、仕事を3つの世界に分けることです。これが全ての土台になります。
第一の柱:「情報」の世界 – 知識を育てる場所
まず、生産性の世界には「情報」と「アクション」っていう、全く性質の違う2つのものが存在することを理解するのが超大事。みんな、これをゴチャ混ぜにしちゃうから混乱するんです。
「情報」っていうのは、集めたり、作ったり、消費したりする知識のこと。会議のメモ、読んだ記事、ふと浮かんだアイデア、調べたこと、参考にしたい資料とか。こういうのって、参照物なんですよね。後で何度も見返したり、他の情報と繋げたりして、さらに発展させていく。だから、情報には寿命がなくて、文脈や繋がりが増えるほど価値が上がっていくんです。
問題は、ほとんどの人がこの「情報」を管理するための意図的なシステムを持ってないこと。ノート、メール、Wordファイル、メモアプリ、ブラウザのブックマーク…あちこちに散らばってる。だから、いざって時に探すのに時間を無駄にしたり、最悪の場合、既にあるのにまた同じ情報を作り直したりする。
第二の柱:「アクション」の世界 – やるべきことを片付ける場所
一方で、「アクション」は、あなたが「やること」。完了すべきタスク、進めるべきプロジェクト、下すべき決定、自分や他人との約束。これらは情報とは違って、ライフサイクルがあるんです。
作られて、予定されて、実行されて、そして完了する。締め切りや優先順位があって、それには情報管理とは全く違うアプローチが求められる。
同じツールの中で情報とアクションを両方管理しようとすると、目的が根本的に違うから、必ず衝突が起きます。情報をリッチに繋げて検索しやすくしたいのに、アクションは優先順位をつけて、完了まで追跡したい。だから、よくある「オールインワン」ツールが期待外れに終わることが多いのは、これが理由。例えばNotionで全部やろうとする人、多いですよね。綺麗なダッシュボードやデータベースは作れるけど、実際のタスク実行の段階になると、やっぱり専用ツールには敵わない。使いにくいんですよ、アクション管理には。
だから、最初のブレークスルーは、この2つの世界をきっぱり分けること。
- 情報を管理するための専用ツールを1つ使う。
- アクションを管理するための専用ツールを1つ使う。
これだけで、驚くほど頭がスッキリします。何か新しいことが発生した時、「これは保存しておくべき情報か?それとも実行すべきアクションか?」と判断するだけ。どこに置くべきか、もう迷わないんです。
そして最も見落とされがちな第三の柱:「時間」
「メモは整理した。タスクリストも完璧。でも、なぜか一番大事なことが終わらないんです」。これ、次の段階で絶対に出てくる悩み。情報とアクションを整理しても、実行がうまくいかない。なぜか?
答えは、3つ目の重要な要素、「時間管理」を見落としているから。情報とアクションは、時間という概念がなければ、ただの理論上の存在。いつそのタスクをやるのか、時間を割り当てなければ、永遠に「やることリスト」に居座るだけです。
時間は、誰にとっても1日24時間。唯一、増やしたり貯めたりできない資源です。だから、この有限なリソースをどう配分するかが勝負の分かれ目。ほとんどの人は、場当たり的に時間を使っています。緊急に見えるもの、通知が来たもの、メールの洪水…それに反応するだけのリアクティブな1日。でも、本当に生産的になりたいなら、もっと主体的に、プロアクティブになる必要があるんです。
ここで重要なのが、カレンダーとプランナーの違い。これもごっちゃになってる人が多い。
- カレンダー:これは「制約」を記録するツール。会議やアポイントメントみたいに、動かせない約束事を書く場所です。
- プランナー:こっちは「自由」を計画するツール。タスクはいつやるか自分で決められる。その「いつやるか」を意図的に計画するのがプランナーの役割。
見た目が似てるから混同しがちだけど、目的が全然違う。優れたプランナーを使うと、「タイムブロッキング」みたいな強力なテクニックが実践できるようになります。これは、1日を特定の時間ブロックに区切って、各ブロックを特定のタスクに割り当てる手法。どのタスクにいつ取り組むか、あらかじめ決めてしまうんです。
あ、ちなみに、このタイムブロッキングって、カル・ニューポートみたいなアメリカの生産性の専門家がよく言ってますけど、日本で昔から言われている「段取り」の考え方にすごく近いと思うんですよね。段取りって、単に自分の時間を区切るだけじゃなく、全体の流れをスムーズにするための準備や順序立てじゃないですか。この3つのツールを使うシステムは、まさに自分の集中時間を確保する「タイムブロッキング」と、仕事全体の流れを良くする「段取り」の両方を、すごく自然に実現させてくれる感じがします。
これで3つの柱が揃いました。
- 情報ツール:何を知っているか、学んだかを整理する。
- アクションツール:何をすべきかを追跡する。
- 時間ツール:それをいつやるかを決める。
この3つが揃って初めて、システムは「実行」を保証してくれるものになるんです。
で、具体的にどのツールがいいの?僕のおすすめ3選
じゃあ、いよいよ具体的なツール。もちろん、ICOR®メソッド…じゃなくて、この考え方自体はツールに依存しないので、好きなものを使ってもらって大丈夫です。でも、「何から始めればいいかわからない」という人のために、僕が何千人ものプロフェッショナルたちとの経験で「これがベストバランスだ」と感じている組み合わせを紹介します。
| ツール | 役割 | こんな人に合う | 個人的な感想 |
|---|---|---|---|
| Heptabase | 情報の柱 (知識ベース) | 視覚的にアイデアを繋げたい人。研究者、戦略家、コンテンツクリエイター。 | 思考をカードにして、ホワイトボードでこねくり回せるのが最高。ごちゃごちゃした頭の中が、一枚の絵になる感じ。これなしではもう考えられない。 |
| Todoist | アクションの柱 (タスク管理) | シンプルさを重視しつつ、パワフルな機能も欲しい人。ほぼ全ての人におすすめ。 | とにかく動作が軽くて、タスク入力が自然言語でできるのが楽。「明日午後3時に報告書提出 p1」って書くだけでOK。この手軽さが継続の秘訣。 |
| Sunsama | 時間の柱 (プランナー) | 会議が多く、タスクをこなす時間がないと感じている人。燃え尽き気味の人。 | カレンダーとTodoistのタスクを全部読み込んで、パズルみたいに1日の計画を立てられる。正直、これを使うようになってから、無駄な残業が劇的に減った。 |
Heptabase:あなたの第二の脳
情報の柱には、Heptabase。これはビジュアル思考ツールで、脳が自然にアイデアを繋げる方法を真似してる感じ。ホワイトボードにカードを並べて、関係性を視覚的にマッピングできる。これが、普通の直線的なメモ帳では絶対にできない、深い思考を助けてくれるんです。
Todoist:信頼できるアクションセンター
アクションの柱には、Todoist。もう何百ってタスク管理ツールを試してきたけど、結局これに戻ってくる。シンプルさとパワーのバランスが絶妙なんです。どのデバイスからでも一瞬でタスクを追加できる手軽さ。でも、いざとなればプロジェクト、ラベル、フィルターでかなり高度な整理もできる。この「必要になるまで複雑さを見せない」デザインが秀逸。
Sunsama:あなたの時間オーケストレーター
そして時間の柱には、Sunsama。これは専用のプランナーツールで、カレンダー(制約)とタスクマネージャー(自由)の間の溝を完璧に埋めてくれます。Google CalendarやOutlook Calendarの予定と、Todoistのタスクを全部一つの画面に表示して、「じゃあ、この会議とこの会議の間で、どのタスクを片付けようか」と計画を立てるんです。1日にどれくらいできるか現実的に見積もるのを助けてくれるから、過剰にコミットして自滅するのを防いでくれます。
よくある間違いと、このシステムの限界
このシステム、すごく強力なんですけど、万能薬じゃありません。いくつか注意点があります。
まず、これはあくまで「個人」の生産性システムだということ。チームのタスク管理やコラボレーションには、また別の考え方やツールが必要です。多くの人が失敗するのは、自分の家が片付いてないのに、チーム全体の片付けをしようとすること。まず、この3つのツールで自分の仕事の流れを完璧にコントロールできるようになってください。それができて初めて、チームの生産性を向上させるリーダーシップを発揮できるはずです。
もう一つ。ツールそのものにハマりすぎないこと。これは僕もたまにやっちゃうんですけど…Heptabaseで綺麗なマップを作ること自体が目的になったり、Todoistのフィルターを完璧に設定することに時間を使いすぎたり。ツールはあくまで仕事を進めるための道具。システムを管理することが仕事にならないように、常に意識する必要があります。
最後に、この3つのツールは連携が鍵です。それぞれのツールは独立して優れていますが、本当の魔法は、それらを繋げたときに起こります。
- HeptabaseのメモからTodoistのタスクにリンクを貼る。
- TodoistのタスクをSunsamaで時間ブロックとしてスケジュールする。
- Sunsamaでタスクに取り組んでいるとき、ワンクリックでHeptabaseの関連資料に飛ぶ。
こうすることで、3つの別々のアプリが、まるで一つの統合されたシステムのように機能し始めるんです。情報、アクション、時間がシームレスに、でも適切に分離されて繋がる。この感覚、一度味わうと元には戻れませんよ。
結論として、最高のパフォーマンスを発揮するために必要なのは、派手でクールで複雑な実装じゃありません。必要なのは、自分が一番得意なこと、つまり「自分のビジネス」に集中できる、安全で安心な感覚を与えてくれる堅牢なシステムなんです。ぜひ、この3つの柱のアプローチを試してみてください。きっと、ずっと探し求めていた明快さとコントロールが手に入るはずです。
あなたの場合はどうですか?
あなたは今、「情報」「タスク」「時間」の3つのうち、どれを管理するのに一番苦労していますか?コメントでぜひ教えてください。もしかしたら、他の人の悩みや解決策がヒントになるかもしれません。
