2024年のMicrosoft調査だと、情報労働者の仕事時間の約7割が「連絡・会議・資料作り」に吸われてる、みたいな話が出てた(出典:待検証)。
で、その「資料作り」の最後に待ってるのが、出力後の崩れ。あれで夜が溶ける。
結論(比較の芯):Gammaは生成スピードに強いがPowerPoint出力後の崩れが起きやすく、Canvaは編集のしやすさが高いがPPT側での完全再現は条件付きだ。
- PowerPoint派の評価軸は「作る速さ」より「直す時間」。ここが地獄の分岐。
- Gammaは“構成→一気に量産”が得意。修正はGamma内で完結させる前提がラク。
- Canvaは“最後の1mm”の調整が得意。PPTに渡すときは作法がいる。
- 既存.pptx資産を活かすなら、互換と運用ルール設計が先。ツールより先。
- 日本語フォントと社内テンプレの縛り。ここでだいたい詰む。
PowerPoint派の勝敗は「生成」じゃなくて「出力後の崩れ」で決まる
PowerPoint派がGammaとCanvaを比べるとき、出力後の崩れと編集のしやすさが最終コストを決める。
これ、ほんとに。生成が速くても、PPTを開いた瞬間にズレたら終わり。
崩れの正体:だいたいこのへんに集約される。
- フォント置換:日本語フォントがPPT環境に無い。勝手に代替されて文字幅が変わる。
- 行間・字間:Webの見た目とPPTのレンダリングが別物。地味にズレる。
- テキストボックスの自動調整:「枠に合わせる」設定が混ざると一気に事故る。
- 画像の扱い:解像度、トリミング、背面配置。PPTで触った瞬間に破綻することがある。
- グループ化の粒度:編集しやすいはずが、細かく分解されて逆に触れない。
日本だと、MS Pゴシック/游ゴシック/メイリオ問題が混ざる。社内PCが混在してると余計に。
しかも、部門ごとにテンプレが違うとかね。あるある。しんどい。
「速く作れる」より「崩れずに渡せる」ほうが、意思決定の現場では強い。
Gamma:強いのは“構成の量産”、弱いのは“PPTでの再編集”
Gammaはアウトライン生成とスライドの自動整形が速く、短時間で叩き台を増やせる。
ただ、PowerPointでの最終編集を前提にすると、出力後の崩れがストレスになりやすい。
Gammaが刺さる場面:上に投げる前の「案」を増やしたいとき。企画の叩き台。提案の枝。
あと、会議が多い組織。うん。日本の大企業だいたいそう。
Gammaの“崩れ”が痛い場面:PPTで細かく直す文化が強いところ。スライドマスター命の会社。
ガチガチの広報・IR・経営会議。ここで崩れると、怒られるのは作った人。私。
運用のコツ(現実寄り):Gammaは「PPTで直す」より「Gamma側で完成させてPDFで出す」に寄せたほうが平和、というケースが多い。
PDFで逃げる。逃げって言うな。防衛だよ。
あ、これ言うと「編集できないじゃん」ってなるけど、編集できる人が多すぎる組織も事故るんだよね。触る人が10人いる資料とか。
Canva:編集のしやすさは強い、PPT互換は“作法”がいる
Canvaはデザイン資産と編集UIが強く、チームで触っても破綻しにくい。
一方で、PowerPointに渡すときは互換の制約が出る。崩れゼロは期待しないほうがいい。
Canvaが勝つ瞬間:社内の「見た目を整える係」がいるとき。広報、採用、営業企画。
あと、アイコンや写真を探して貼る作業。あれを短縮できるのはでかい。
Canva→PPTで崩れを減らす作法:たぶんここを守るだけで事故が減る。
- フォント:社内標準フォントに寄せる。游ゴシックに寄せるだけでも差が出る。
- テキストを詰めすぎない:行数ギリギリはやめる。余白が保険。
- 複雑な装飾:影、縁取り、細かい図形の重ね。PPTで壊れやすい。
- 最終はPPTで開いて検品:出す前に一回、別PCでも見る。これが効く。
この「別PCで見る」が日本の現場だと刺さる。部署のPC、たまに化石だから。
Windowsのビルド古い。Officeのバージョンも混在。地獄。静かに地獄。
検証の観点:PowerPointで開いた瞬間に見るチェックリスト
PowerPointで開いた瞬間に見るべき項目は、フォント・レイアウト・画像・整列・アニメーションの5つだ。
この5つが無事なら、だいたい勝ち。逆に一個でも崩れると修正工数が跳ねる。
チェックのしかた:雑でいい。雑が続く仕組みが勝つ。
- フォント:文字幅が変わってないか。見出しが2行になってないか。
- 行間:箇条書きが詰まりすぎてないか。下に落ちてないか。
- 画像:トリミングがズレてないか。解像度が死んでないか。
- 整列:左右が1pxズレてないか。こういうのが刺さる人いる。
- アニメーション:維持されない前提で考える。必要ならPPT側で付け直す。
でね、ここで一個だけ“指標の置き換え”をする。
見るべき指標:「作成時間」じゃなくて「修正時間」と「差し戻し回数」。
修正時間が毎回30分増えるなら、生成が5分速くても意味がない。ほんと意味がない。
| 運用パターン | 初期コスト | 学習コスト | 毎回の作成時間 | 出力後の修正時間 | 事故りやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| Gamma中心(PPTは最小編集) | 低〜中 | 低 | 短い | 中(崩れたら戻る手戻り) | 中 |
| Canva中心(PPTで仕上げ) | 低 | 中 | 中 | 中〜長(互換の癖が出る) | 中〜高 |
| PowerPoint中心(生成は補助) | 低 | 中〜高 | 長い | 短い(慣れてるなら) | 低〜中 |
| PDF納品前提(編集権限を絞る) | 中 | 低 | 中 | 短い | 低 |
日本の通路での「内行人避雷」:どこで契約して、どこで詰むか
日本でGamma/Canva/周辺ツールを導入するとき、詰みポイントは「決済」「稟議」「請求書」「セキュリティ審査」だ。
機能比較より、ここで止まる。ほんとに止まる。
内行人の避雷ガイド(JP現場版):
- 個人クレカ課金:早い。でも後で精算地獄。監査で刺さる会社もある。
- App Store/Google Play経由:経理処理が面倒な組織がある。請求書が出せない扱いになることも。
- 直契約(公式の法人プラン):請求書・支払い条件が整いやすい。反面、セキュリティチェックが長い。
- 代理店・リセラー経由:稟議が通りやすい会社がある。価格は上振れしがち。
価格レンジ感(日本):公開情報だけで断言はできない。プラン改定もある。ここは待検証。
ただ、体感としては「月額の小額より、社内工数の損失のほうが高い」ってケースが多い。ここで目が覚める人がいる。
法規・ガバナンスの現実:日本だと個人情報保護法の観点、社内規程、取引先のセキュリティ要求で止まる。
誰が何を入力していいか。機密資料を入れるか。ログをどう残すか。ここが論点。
担当部署はだいたい情シス。あと法務。強い。こわい。
公式情報の当たり先:各ツールの管理者向けドキュメント、セキュリティ白書、DPA(データ処理契約)の有無。名称は各社で違うので、ここも待確認。
言い方は雑だけど、ここを見ない導入は、だいたい後で揉める。
FAQ(待検証):崩れ・編集のしやすさで詰まる3つ
Q. Gammaで作成した資料をPowerPointにエクスポートすると、なぜレイアウトが崩れるのですか?
Gammaの見た目はWebレンダリング前提で、PowerPointのフォント・行間・配置ルールに変換される際に差分が出るため、出力後の崩れが起きやすい。
Q. CanvaからPowerPointに変換する際に、デザインの崩れを最小限に抑えるコツはありますか?
Canvaは社内標準フォントに寄せ、テキストを詰めず、装飾を増やしすぎず、PowerPointで開いた直後に別PCでも検品すると崩れを減らせる。
Q. GammaとCanva、どちらが既存のPowerPoint資料の再編集に向いていますか?
既存PowerPoint資料の再編集はPowerPointが最も安定で、GammaとCanvaは取り込み後の互換差が出やすいため、運用ルールと検証なしに主戦場にしないほうが安全だ。
個人的な見立て:PowerPoint派がAIスライドに期待してるのって、「作るのをラクに」じゃなくて「差し戻しを減らす」なんだよね。
差し戻しって、地味に人格を削る。静かに。ずっと。
で、削られた後に残るのが、テンプレの微調整と、フォントの置換と、図形の整列。うわ。
PowerPoint派の最適解は、ツール選びじゃなくて「崩れを許容しない運用設計」を先に決めること。
私がそのとき最初にやる小さな動作:同じ1枚のスライドをGammaとCanvaで作って、PPTXで出して、社内の古いPCでも開く。そこでズレたら、そのズレを“仕様”として運用に書く。
返事いらない。これだけで夜が少し戻る。
